看取り 苦痛を取り除く
もし、看取りの時期と判断して、最期の時を過ごすこととなった場合。
本人様の思うように過ごしてもらいながら、苦痛の排除を徹底しましょう。
通常時に取り組んでいた、アプローチのフル活用。フルスロットルです。
最期まで本人様にとって苦痛がないように。
【食事】
無理に食べなくていい。食べられるだけでいい。
10割摂取目標などの固定観念は捨てる。(これは、普段からではあるのですが。)
看取りの状態の時に無理に栄養は必要ありません。
生きるために栄養は必要ですが、これから最期を迎えようという時に栄養が入ってしまうと、生きてしまって最期を迎えられない。もしくは、つらい最後につながります。
人間、最期は枯れるようにして最期を迎える。
水分がないことで覚醒状態が悪くなり、苦しさもわからなくなって最期を迎える。
これが理想。
無理に食べてもらうと窒息するリスクもあります。
ミキサーでも窒息しますよ。
楽しみのための食事。これだけでいい。
食べたいものを食べたいだけ。無理ない程度に。
嚥下状態にもよりますが。
【口腔ケア】
食事は無理しなくていいですが、その分口腔ケアは大事です。
これをしないと、自然な最期ではなく、誤嚥性肺炎になって最期を迎えることになります。
それは避けましょう。
食前食後の口腔ケアをする。
口の残渣を取り除く程度。最終的には口の潤いを保つ程度でオッケー。
物品としては、
ハミングッド
白十字 MHG250 ハミングッド 250P | ||||
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口腔ケアウェッティ
和光堂 オーラルプラス 口腔ケアウエッティー マイルド(100枚入) | ||||
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を使って口腔内の清潔を保ち、
口腔ジェル
和光堂 テンダーケア 口腔保湿ジェル うるおいキープ(60g) | ||||
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を使って口腔内の潤いを保つ。
本人様の状態とすれば、口を閉じるのもしんどくなってくるので、口が開いたままになる。
そうすると、口が乾燥します。
ただでさえ、身体の水分量も減少して身体全体が乾燥しているようなものなので、口は潤いを保っていてください。
入浴のところに後から書きますが、全身の皮膚の乾燥に対しても、対応は必要です。
【排泄】
オムツ交換、パッド交換。
体位変換が少なくて済む、テープ止めタイプのオムツだけでいい。
テープ止めオムツ
リフレ 業務用 簡単テープ止めタイプ 横モレ防止 M(30枚入) | ||||
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体位変換も難しい、本人様が苦痛の状態であれば。
いわばノーパンでフラットシーツを巻きスカートみたくするのも一つ。
リフレ フラットタイプ レギュラー 30枚入 | ||||
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でも、陰部の清潔を保つための陰部洗浄は1日1回はお願いしたい。
皮膚トラブルや尿路感染を防ぐためです。
褥瘡や皮膚炎、尿路感染による発熱や体力消耗で、本人様が苦しまないように。
【着替え】
毎日朝夕に着替える。
通常の生活ではこういう方が多いと思います。が、看取りの時期にこれをすると本人様が苦しむケースがほとんど。
入浴の時、もしくはやむを得ず汚れてしまった時、に合わせてで良いと思います。
場合によっては、浴衣で過ごしてもらえば、着替え時の負担も最小限で済みます。
ノーパンでフラットシーツ。そして、浴衣。なんと開放的なスタイル。
【入浴】
入浴の楽しみを得るのは難しいかもしれません。
身体の清潔も、十分には難しいかもしれません。
清拭・足浴・手浴・陰部洗浄、できる範囲でしましょう。
皮膚トラブル、水虫、感染を防ぐためと、出来れば温まることで本人様の血行が良くなる事。が、目的。
ヒルドイドローションとか、ビーソフテンとかを医師に出してもらって全身に塗って乾燥を防いで、皮膚トラブルを防ぎましょう。
私の経験で言えば、訪問入浴を利用するとうまくいくことが多い。
ベッドの横にバスタブを持ってきてくれて、すぐに入浴できるので、負担は最小限。
介護職員2名と看護師1名できて対応してくれますから、いろんな意味で安心。
後は、単位数と料金の問題。要介護5なら、週1回で月4回であれば、他のサービス内容にもよりますけれど、限度額から少しはみ出る程度。なんなら月3回にするのも方法。
というか、自分がお金を払うわけじゃないので、あくまで個人的意見ですが。最期の時にお金を使うのはいいんじゃないかな。。。
【体位変換】
基本的には褥瘡が出来てくるほどのレベルになりますから、エアマット導入ですよね。
で、エアマットの機能で体位変換すればいい。
人の手で体位変換というのも方法ですけれど、これでよく発生するのが、“行なう体位変換が人によって違う。“ってやつです。
クッションは必要です。
ナーセンドパッド
ナーセントパットA 2点セット(小ピース*2) 撥水カバータイプ(1セット) | ||||
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でも、人によってセットする体位が違って、逆に褥瘡のリスクが高まるのであれば、クッションを使いながら体位変換はエアマットの機能に任せればいい。
下手に人がやるより良いです。最近は良いエアマットがあります。
ラグーナ
【服薬】
内服薬は最小限でいいです。むしろ基本的にいらない。
外用薬は要ります。ヒルドイドやビーソフテンとか。乾燥防止改善のためのもの。
例えば、
糖尿病の人が血糖値のコントロールに飲んでる薬は、食事が進まなければいらない。
血圧の薬は、血管が悪くなったり出血することを予防する薬。予防はもはやいらない。看取り時期なんだから。
抗がん剤は、専門医の判断次第ですが、最終的には無しになるでしょう。どちらかというと、モルヒネとかになる。
下剤は食べてないのであればいらない。
看取りでなくても最小限にしたいものです。
詳細は別記事。【排便コントロール】を参照。
【家族様との関わり】
最期の時を家族様と一緒に極力過ごせるように。
家族様が本人様のところに極力頻回に来てもらえるように。
これは、家族様側の気持ちの準備をする時間でもあります。
職員は、本人様の状況をしっかり伝えながら、家族の時間は邪魔しないようにしながらの対応。
職員同士で話す言葉とかは、そんなつもりはなくても家族様にはつらく聞こえてしまうことも、よくあります。
最大限の配慮が必要。
【医療との連携】
医師・看護師と常々連携をとる。必要に応じて報告・連絡・相談。
あらかじめ、どんな時に報告してどう対応するかを決めておくと良いと思います。
訪問診療や訪問看護で対応できるようにしておいて、緊急時に備えるのがベスト。
【緊急時の対応】
といっても、基本救急搬送するわけ時ないので、最期の時を待つだけです。
【最後になりそうな合図に気づけば】
1.すぐに家族様に連絡。来てもらう。
2.看護師や医師にも報告。備えていてもらう。
3.最期を迎えて、医師に確認してもらう。
このイメージを職員で共有しておくことが大切。
本人様の最期の時を、本人様や家族様の思うように苦痛なく過ごしてもらうことが出来れば、“看取りが出来た。“と言えるでしょう。
もちろんその時は胸を張りましょう。
「あの時こうしていれば。」
「あの時こうだったら。」
を、後から言っても仕方がないので、あまり言わないように。
言うのであれば、次の方につなげる。
それと、思うのは。
その時のチームでできる最大限のことは常々しているはず。
出来なかったのであれば、それはその時のチームでは出来なかったこと。
今後はさらなる良いチームを形成すればいい。
いかがでしょう?
皆がチームで良い看取りが出来ますように。
本人様が家族様がおもう最期を苦痛なく迎えられますように。
ありがとうございました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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